NOTE

変わってゆく君も 変わらない君も ありのままに書き記そう

KinKi Kidsのコンサートに初めて行った


記事を書くのが遅くなったが、4ヵ月前のことについて書き留めておこうと思う。


私は昔からKinKi Kidsが大好きだった。きっと家族の影響が大きかったと思う。別にジャニーズ一家でもなかったはずなのに、物心ついた時には車の中で青の時代が流れていたのを鮮明に覚えている。この間も帰省する車の中で全部だきしめてを流したら父まで声を出して歌ってくれた。この曲は今でも好きらしい。母も堂本剛くんが大好きだ。今回のコンサートも母と行った。ゆるゆるとファンをしていたからファンクラブには入っていなかったが運良く譲ってくれる優しい人がいた。

チケットの取引を終えてグッズの列に並んだ。周りは中学生くらいの学生からお母さん世代の人まで幅広い年齢層の方がいた。一番びっくりしたのは男の人やカップルが多かったこと。男の人もキンキコンパーカーを着て、がっつりファンだった。付き添いなんかではなかった。

いざ幕が開けると天使のように出てくるKinKi Kidsにわたしは感動が止まらなかった。モニターに映るふたりがかっこよくて儚くて夢だと思い込んだ。初めの曲で既に涙が目に溜まったが流しはしなかった。きっとわたしは瞬きさえも惜しんだのだと思う。そこに広がる美しい世界を一秒も一瞬も逃したくなかった。

アンコールでAnniversaryを歌ってくれた。私は普段から音楽では歌詞に注目するタイプだから歌詞が凄く引っかかった。歌詞を聴く度に、曲が進んでいく度に、自然と涙が溢れていた。多分その時も瞬きはしていなかった。声も出さず、静かに、意味もわからないくらい涙をひたすらに流していた。ちょうどその数日前古謝くんがラジオでAnniversaryをリクエストしていた。古謝くんが生まれてきてくれたこと、堂本剛くんに憧れ今の彼に育ってきたこと、そしてその堂本剛くんが生まれ他の誰でもない自分を貫いてきてくれたこと、そしてそんな剛くんを含めKinKi Kidsを見守るファンの人がこの場所に集まって同じ景色を見ていること、先祖の誰一人欠けても成り立たなかった「今」がこうしてやってきた奇跡を深く強く胸に感じて噛み締めていた。そしてその当たり前のような奇跡がどれだけ素晴らしいのかを胸が痛いくらい感じて、ただただ涙が零れていった。

ジャニーズのファンを始めて、わたしにも辛いお別れがあった。ひどく心を抉られる経験もあった。でも、その全ても今を創る試練だったのだと思った。「この空で数え切れない星が生まれては人知れず消えていくよ」この歌詞を聴いて今の尊さに気付いた。そしてそんな辛い経験のおかげで出逢えた今を大事にしようと思った。

そして何故か自分の人生も走馬灯のように頭によぎった。割と好きだったのに転勤してしまった小学校の先生とか、あの時別れを告げてしまった恋人、私に笑顔を向けながら天に昇っていったおばあちゃん、自分の全てをかけて片想いをしてたあの人とか。関係ないのに思い出した。そしていろんな感情で泣いた。

コンサートが終わって横を見ると、母が私の顔を見て言った。「あんたがそんなに泣くなんて思ってなかった」そして母も一筋涙を流した。家では喜怒哀楽の喜怒しか見せない私だからびっくりしたのかもしれない。でもその涙が何故か私には嬉しかった。


わたしは依存せずにこうしてKinKi Kidsをこれからも摂取するんだろう。その距離感が心地よい。